Carnegie Mellon University

日本とアメリカのゲーム業界の比較
Comparison of Japanese and American Gaming Industries

Jessica Fang
Carnegie Mellon University – Japanese Studies

Abstract

This paper compares and contrasts the Japanese and American gaming industries and discusses the cultural differences between Japanese and American society that lead to these distinctions between the gaming industries. Section 2.1 describes the history of the two countries’ gaming industries. Section 2.2 compares and contrasts the typical features of Japanese and American games. Section 2.3 discusses the future of the two industries and reasons why Japan’s gaming industry may be lagging behind. In conclusion, American’s gaming industry is larger than Japan’s in terms of revenue, but Japanese games and consoles are popular in America while American games and consoles are not so popular in Japan. Additionally, with the rise in popularity of e-sports and the current state of software engineering in Japan, Japan’s gaming industry may be lagging behind. However, Japan still holds a major share in the global gaming market, and this will likely not change much in the near future.

⒈ はじめに

 トピックは、「日本とアメリカのゲーム業界はどう違うか、なぜ違うか」と言う。私はゲームするのが好きなので、このトピックを選んだ。遊んだゲームのほとんどは日本企業に作られたから、日本のゲーム業界についてもっと詳しく知りたい。結論は、収益の面では、アメリカのゲーム業界が日本より大きい。だが、日本のゲームやコンソールはアメリカに人気があるが、アメリカのゲームやコンソールは日本にそんなに人気ではない。しかし、eスポーツの普及と日本のソフトウェアエンジニアリングの状態により、これから日本のゲーム業界は遅れをとるかもしれない。

⒉ 日本とアメリカのゲーム業界のさまざまな要素の比較

⒉⒈ 日本とアメリカのゲーム業界の歴史

日本とアメリカのゲーム業界の歴史について書きたいと思う。この先、書いてある情報は全部Beckerの記事に書いてある。最初のアーケードゲーム「ポン」は米国会社アタリによって作られ、1972年にデビューした。1977年にアタリは今のコンソールの前身であるアタリ2600をリリースした。1985年、日本会社ニンテンドのファミコンが発売された。「スーパーマリオブラザーズ」など、ファミコン向けに数多くの象徴的なゲームが制作された。1994年、日本会社ソニーはプレイステーションを発売した。プレイステーションは新しい技術を使用して、開発者がより長く、より洗練されたゲームを作成できるようにした。2001年、米国会社マイクロソフトは独自のコンソールであるXboxを発売した。Xboxで人気なゲームフランチャイズ「Halo」をリリースした。 Haloのようなゲームが膨大なプレーヤーベースと莫大な制作予算を獲得するにつれて、収益が増加し始め、アメリカの業界が拡大した。2006年、ニンテンドはWiiコンソールを発売した。 Wiiは動きをゲームプレイに取り入れ、プレーヤーに運動をさせた。2004年から2009年までPCゲームが普及した。PCでしかできないMMORPGでは、何千人のプレイヤーが同時にプレイし、相互作用することができる。2009年から、スマホの開発のおかげで、携帯でゲームができるようになった。スマホの普及から、モバイルゲームも人気になった。現在、モバイルゲームの収益は、コンソールゲームやPCゲームよりも大きい。2010年から、eスポーツが人気になりつつある。 eスポーツでは、プロの選手が「リーグ・オブ・レジェンズ」などの人気ゲームで競い合う。

⒉⒉ 日本とアメリカのゲームの特徴

ほとんどの日本のゲームは漫画的で明るい配色を使っている。一方、アメリカのゲームは、現実的で、暗くてざらざらした配色を使っている。日本人はアニメや漫画のスタイルに慣れているから、ゲームのビジュアルが漫画っぽくて、非現実的に見える。反面、アメリカ人はリアルな映画やテレビ番組に慣れているから、現実的なグラフィックのほうが好きそうだ。そして、日本のゲームの主人公は、若くて、明確に定義された性格を持っていないキャラクターだ。一方、アメリカのゲームの主人公は、強い個性があり、ざらざらした力強い中年男性だ。日本人は、ゲームをしている時、自分が主人公になるという想像があるから、強い個性がない主人公の方がいいが、アメリカ人は、かっこよくて、尊敬できる主人公の方が好きだ。それから、日本のゲームには、選択が少ないが、アメリカのストーリー向けゲームには選択がたくさんある。例えば、K.Dustinによれば、ファイナルファンタジーXIIIが発売された時、日本のプレイヤーやレビュアーからとてもいい評価がもらったが、欧米のプレイヤーとレビュアーは、プレイヤーにまったく自由を提供していないと言われて、強く批判した。日本人は、ゲームプレイが楽しく、ストーリーが魅力的である限り、選択が少なくてもいいと考えるが、アメリカ人は、自分の決定によって影響を受けるよりダイナミックなストーリーを望んでいる。

⒉⒊ 日本とアメリカのゲーム業界の未来

日本とアメリカのゲーム業界の未来について書きたいと思う。以下書いてある収益とグラフに記載されている収益は、各国の個人消費に基づいており、ハードウェアの売上、税金、企業間サービス、オンラインギャンブル、と賭博の収益は含まれていない。Newzooによれば、2020年、ゲーム業界の収益が最も高かった国は、中国、アメリカ、と日本だった。中国の収益は408.5億米ドル、米国の収益は369.2億米ドル、日本の収益は186.8億米ドルだった。日本のゲームやコンソールはまだ世界中に人気があるが、日本のゲーム業界は、中国やアメリカほど成長していない。アメリカのゲーム市場のはグラフ1に示されている。そして、日本のゲーム業界の市場はグラフ2に示されている。

グラフ1:アメリカのゲーム業界の市場

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出典:https://otakuindustry.biz/archives/84833

グラフ2:日本のゲーム業界の市場

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出典:https://otakuindustry.biz/archives/84833

二つの表を見ると、アメリカも日本もモバイルゲームの市場が増えている。しかし、日本のPCゲームの市場が減っているが、アメリカのPCゲームの市場が増えている。一つの理由は、日本はeスポーツにあまり参加していないが、アメリカは積極的に参加している。eスポーツはほとんどPCでやっている。もう一つの理由は日本のソフトウェアエンジニアリングの状態だ。日本はソフトウェアエンジニアの人材が不足しているから、常に外国からのエンジニアを探している。Romeroによれば、一番大きな問題は、大学でCS(コンピューター科学)を教えられている方法が間違っているということだ。ほとんどのCS教授はコーディングの実務経験がないから、CSを専攻する学生さえコーディングができない。なので、ほとんどのプログラマーは既存のコードをコピーするしかできない。このため、ソフトウェアエンジニアリングは低レベルの仕事と見なされ、給与もあまり高くない。なので、日本人学生にとってCSを勉強することはあまり魅力的ではない。また、CSは急成長している分野なので、新しいコーディング言語、アルゴリズム、技術が絶えず開発されている。したがって、エンジニアは常に新しいスキルを習得している必要がある。しかし、ほとんどの日本企業の構造では、従業員にこのような柔軟性がないから、日本のエンジニアは新しい技術に追いつくのに苦労している。ソフトウェアエンジニアリングはPCゲームの技術と密接に関連しているから、日本のゲーム会社はPCゲームをあまり開発していないそうだ。このままでは、日本のゲーム業界は遅れをとるかもしれない。

⒊ おわりに

結論として、収益の面では、アメリカのゲーム業界は日本より大きい。だが、日本のゲームやコンソールはアメリカに人気があるが、アメリカのゲームやコンソールは日本にそんなに人気ではない。そして、ゲーム業界を引き継ぐ現在のトレンドは、リーグ・オブ・レジェンズのようなeスポーツだ。中国、韓国、北米とヨーロッパはeスポーツに深く関わっており、国際トーナメントのトップの国を代表している。世界第3位のゲーム市場である日本がeスポーツにあまり参加していないのは不思議だ。さらに、ソフトウェアエンジニアリングはゲーム技術と密接に関連しているが、日本ではソフトウェアエンジニアリングの状態は中国やアメリカの状態より遅れをとっているから、ニンテンドのような企業は時代遅れの技術を使用しているという問題がある。このままでは、日本のゲーム業界は遅れをとるかもしれない。とは言え、日本はまだゲーム業界の大きなシェアを持って、それは近いうちに変わらないと思う。日本のゲームならではの魅力が確かにある。例えば、ニンテンドのゲームは子供向けのゲームとして群を抜いて最も人気がある。そして、JRPG(日本のロールプレイングゲーム)も世界中で人気だ。両国が独特のゲーム特徴や技術を持って、ゲーム技術のさらなる発展により、これから日米のゲーム業界から期待してもいいと思う。


参考文献

Newzoo. “Top Countries & Markets by Game Revenues.” Newzoo, 29 June 2020, newzoo.com/insights/rankings/top-10-countries-by-game-revenues.

Becker, Sam. “Defining Moments in Video Game History: A Timeline.” Stash Learn, 2 May 2018, learn.stash.com/defining-moments-in-video-game-history-a-timeline.

オタク産業通信編集部. “【市場比較コラム】日本・アメリカ・中国・韓国における家庭用・モバイル・PCゲームの市場比較 | オタク産業通信 :ゲーム、マンガ、アニメ、ノベルの業界ニュース.” オタク産業通信, 12 Sept. 2019, otakuindustry.biz/archives/84833.

K., Dustin. “East vs. West Game Design Styles: Visual, RPG Stories & Protagonists, Linearity vs. Choice.” The Ultimate Resource for Video Game Design, 11 Mar. 2021, www.gamedesigning.org/gaming/game-design-styles-japan-vs-west.

Romero, Tim. “The True Reason for Japan’s Critical Developer Shortage.” Disrupting Japan: Startups and Innovation in Japan, 30 Mar. 2019, www.disruptingjapan.com/the-true-reason-for-japans-critical-developer-shortage.